タレには、薄口醤油、酒、ミリン、砂糖、おろしショウガ、刻んだネギを合わせたものを使う
身がやわらかい若鶏のモモ肉を使う。モモ肉1枚をそのまま漬けダレに1時間ほど漬け込んでおく
タレの水分を切って片栗粉と薄力粉を半々にした粉をまぶして揚げる。油の温度は120〜130度で10分ほどかけて揚げ、切る
長崎の四季折々の素材を使った和食や長崎ならではの料理を食べられる『割烹こじま』。お店に入って左側には生簀があり、旬の魚介の姿を見ることもできる。『あら煮』や11月から3月にかけての『フグ料理』が名物。20年以上継ぎ足され続けるタレも使って煮込む『豚の角煮』や饅頭の生地で角煮をはさんだ『角煮まん』でも知られている。
店主・
「『ゴーレン』作りは、まず、鶏モモ肉1枚をタレに漬け込みます。『ゴーレン』に使う鶏肉はやわらかくないと美味しくないので、若鶏のモモ肉を使っていますよ。タレは、薄口醤油、酒、ミリン、砂糖、おろしショウガ、刻んだネギ。1時間は漬けこまないといけないですね。
漬け込んだ後、タレの水分を切って粉をつけて揚げますが、粉は片栗粉と薄力粉を半々に合わせたもの。余分な粉をはたいて、焦げないように低温でじっくりと揚げます。
早く揚がるように肉の裏に隠し包丁を入れていますが、油の温度を120〜130度にして、10分ほどかかります。タレに漬け味が染み込んだ鶏モモ肉を揚げるので、焦げやすいのです。通常の天ぷらや唐揚げは180度で揚げますが、その温度だと焦げてしまいます。
揚がったら食べやすい大きさに切ってできあがりだ。表面はカリッと軽い食感で、肉はしっとり。肉には少し甘めのしっかりした味が染み込んでいる。
『ゴーレン』はレギュラーメニューにはないが、お願いしておけば食べることができる。漬け込む時間がかかるので、できれば前日までに予約しておくのが無難だ。
「ご予約をいただけば、卓袱料理の揚げ物の一品としてお出しすることもできますよ」。
こちらには『唐揚げ』もメニューにあるので、『ゴーレン』との違いを教えていただいた。
「唐揚げは一口サイズの鶏モモ肉をショウガ、ニンニク、砂糖、ミリン、醤油を合わせたタレに漬けて小麦粉をまぶして5分ほど揚げます。鶏モモ肉を切ってからタレに漬けること、衣が小麦粉ということも『ゴーレン』と違いますが、やはりうちでの一番の違いは油の温度と揚げる時間でしょうね。
『ゴーレン』は、揚げるというよりも“油で炊く”という感覚かもしれません。それから、大きいまま揚げて、切って出すというのも唐揚げとは違う部分ですね。食べていただいたお客様からも『唐揚げとは違うね』という言葉をいただいています」。
唐揚げの原型と言われている『ゴーレン』。児島さんは次の世代にも伝えていきたいと願っている。
「『ゴーレン』は鶏モモ肉をタレに漬けるのにも、揚げるのにも時間がかかりますから、“昔の仕事”だと感じています。手早く作れるように、今の唐揚げのスタイルが生まれたのではないでしょうか。今では家庭ではほとんど作られていませんし、若い世代は知らない方も多いのです。長崎で生まれ、唐揚げの原型となった『ゴーレン』を、若い料理人さんにも伝えていかなければならないと思っています」。
タレには、薄口醤油、酒、ミリン、砂糖、おろしショウガ、刻んだネギを合わせたものを使う
身がやわらかい若鶏のモモ肉を使う。モモ肉1枚をそのまま漬けダレに1時間ほど漬け込んでおく
タレの水分を切って片栗粉と薄力粉を半々にした粉をまぶして揚げる。油の温度は120〜130度で10分ほどかけて揚げ、切る
長崎の四季折々の素材を使った和食や長崎ならではの料理を食べられる割烹。時間と手間をかけて作られる『ゴーレン』は、1枚の鶏モモ肉を揚げた後で切る料理法。しっかりと味がついた鶏肉を、サクッと揚がった衣が包んでいる。『豚の角煮』でもよく知られており、饅頭の生地で角煮をはさんだ『角煮まん』はお土産にもぴったりの一品。
住所 | 長崎市銅座町14-14 |
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電話 | 095-827-1696 |
営業 | 11:30〜14:00/17:00〜OS21:00 |
休み | 不定 |
席 | 60席 |
カード | 可 |
駐車場 | なし |
URL | http://www.kakuniya.com/ |