九州の味とともに 春

この料理の"味のキーワード"

下ごしらえ

殻をむいた落花生を水に浸けておくのが一般的。薄皮までむいたものを使うことが多い

作り方

水に浸けておいた落花生をミキサーにかけ、布袋に入れて“落花生の豆乳”を絞りとる。水で溶いたタピオカ粉を入れて火にかけ、木ベラ等で練る

タレ

醤油と砂糖を煮詰めたタレがたっぷりとかけられることが多い。薬味としてすりおろしたショウガが添えられることもある

語り 居酒屋野郎 りょう次 冨永実臣の「じーまーみ豆腐」

冨永実臣(とみながさねたか)さん

国際通りから少し離れた場所を流れる久茂地川(くもじがわ)沿いには、地元の方にも愛され続けている飲食店が並ぶ。2018年に創業30周年を迎えた『居酒屋野郎 りょう次』もその1つだ。デザインや照明にこだわったおしゃれな店内は、地元の方や観光客でにぎわっている。料理は県内外の旬の素材を使った『島らっきょう(塩漬け)』『もずくの天ぷら』、あぐー豚を使った料理などの琉球料理や“創作和琉料理”、鉄板焼きなどを楽しめる。〆には自家製麺を使ったラーメンが人気で、観光の方も地元の方も楽しめる居酒屋だ。メニューの“小鉢”の欄には島らっきょう、もずく酢、海ぶどう、豆腐ようなど沖縄を代表する料理が並ぶ。『じーまーみ豆腐』も、“小鉢”の欄に書かれている一品。注文すればすぐに提供され、つまみにしながらあっという間に食べてしまえるが、実は手間と時間と技から生まれた料理だ。「なかなか若い子(経験の浅い料理人)には任せられないんですよ(笑)」と言う料理長・冨永実臣さんに作る手順を見せていただいた。

下ごしらえとして、殻と薄皮をむいた落花生を2時間ほど水に浸け、次の手順に移る前に、薄皮が残っているものはきれいに皮をむいておく。その後、浸していた水とともに落花生をミキサーにかける。

落花生は水に浸けておく。表面に残っている薄皮を取り除き、ミキサーにかける

それを麻袋に入れて漉す。「この袋は目が細かいもので、和菓子作りに使ったりもするものですね」。力を込めて “落花生の豆乳”を絞り出す。

麻袋に入れて絞る
“落花生の豆乳”をしっかり絞り出す

絞り出された“落花生の豆乳”に水溶きタピオカ粉を加え、火にかけて木ベラでかき混ぜる作業が始まる。

水溶きタピオカ粉を加える
中火にかけて木ベラで混ぜる

「タピオカ粉はくせがなくてできあがりの風味がよくなるんです。今、沖縄ではタピオカ粉が使われることが多いみたいですよ。そして、ここから10分ほどが勝負の時間です。作り始めたらつきっきりですし、途中で休むことはできないですからね。初めは強火でかき混ぜます。粘りがでてきたら中火にして、さらに練っていきます」。鍋を支える手にも力が入り、木ベラの動きはどんどん激しくなっていく。動かし方も一定に回すのではなく、全体を練るような大きなものだ。「粘りが出てくると鍋を支えておかないと木ベラが回せないですからね。木ベラは全体に空気を含ませるようにするためと、鍋肌が焦げないようにするために動かしていますね」。時折、木ベラを上にあげて粘り具合を見ながら練り続ける。

固まり始めたら練る。強火にしてしっかりと練り上げて仕上げる

「じゃあ、仕上げましょうね」という言葉と同時に強火にする。木ベラの動きはさらに激しいものとなる。「練るとどんどん粘りが強くなっていくので、いつ止めるかがポイントですね。木ベラ全体にくっついてくるような感覚になった時が止めるポイント。このタイミングがなかなか難しい。言葉では説明できない感覚なんですよ。固まる前を混ぜるのは若い子にできても、練る部分は経験が必要なんです。仕上がったら冷やしてできあがりです」。作り慣れない人だとうまく強火を使うことができず、倍以上の時間がかかることもあるそうだ。

容器に入れて冷やす

できあがった『じーまーみ豆腐』には特製のタレがかけられ。すりおろしたショウガが添えられる。「タレは濃口醤油と黒糖を合わせて煮詰め、タピオカ粉を加えてとろみをつけています。黒糖の風味が香る甘いタレですから、ショウガがよく合いますね」。モチモチとろりとした『じーまーみ豆腐』にやわらかな甘味をもつタレがからむ。焼酎のつまみにもぴったりですぐに食べきってしまう。「『やわらかくておいしいね』という声がきこえたり、おかわりする人がいたりすると、とてもうれしいですね。手間と時間がかかりますし、力も要る料理なので、作り甲斐がありますね。お客さんに見えないところでガッツポーズです(笑)」。

つまみとしてもデザート感覚でも楽しめる『じーまーみ豆腐』。
冨永さんからはこんな提案も…。
「つまみそのものにもなりますが、口直しにもいいですね。つまみを食べて飲んで、『じーまーみ豆腐』を食べて、またつまみ食べて飲んで…という感じで。それを続けるとずっと料理と焼酎を楽しめますね。『じーまーみ豆腐』は切り分けるのが難しいので、注文があったら人数分スプーンをおつけしています。タレと一緒に楽しんでください。でも、一番いいのは一人で一皿食べることかな(笑)」。

この料理人こだわりの「味のキーワード」

下ごしらえ

殻と薄皮をむいた落花生を2時間ほど水に浸けておく。次の手順に移る前に、薄皮が残っているものはきれいにしておく

作り方

水に浸けておいたものをミキサーにかけ、麻袋に入れて絞る。水溶きタピオカ粉を加え、火にかけて木ベラで練り上げる

タレ

濃口醤油と黒糖を合わせて煮詰め、タピオカ粉を加えてとろみをつける。すりおろしたショウガが添えられる

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居酒屋野郎 りょう次 おしゃれな空間で食べる“創作和琉料理”

国際通りから少し離れた場所を流れる久茂地川沿いで1988年にオープン。インテリアや照明などにもこだわった店内は、地元の方や観光客でにぎわう。県内外の旬の素材を使った琉球料理や“創作和琉料理”、鉄板焼きなどを楽しめる。やわらかな『じーまーみ豆腐』は、黒糖と醤油を合わせて煮詰め、タピオカ粉でとろみをつけた特製タレをからめながら食べると美味だ。

『じーまーみ豆腐』540円
ゴーヤーなどの野菜を肉類で巻いた『りょう次鉄板野菜串焼き』各162円
不動の人気メニュー『いかすみ麺の焼そば』720円。麺にイカスミが練りこんであり、口が汚れることはない
奥行きのあるおしゃれな店内

居酒屋野郎 りょう次

住所 那覇市久茂地2-18-18
電話 098-861-8583
営業 17:00~OS24:00
休み 不定
57席
カード
駐車場 なし
URL http://www.ryoji-family.co.jp/ryoji.html
※記載した内容は2019年4月25日現在のものです。
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