九州の味とともに 春

この料理の"味のキーワード"

下ごしらえ

生の『島らっきょう』の根元を切り落として、薄皮をむく。緑の茎も切り落として長さをそろえる

塩漬けの作り方

塩をまぶして軽くもみ、ほどよくねかせる。塩は沖縄産の塩が使われることが多い

自慢の『島らっきょう』料理

塩漬けと並んでよく食べられているのが『島らっきょうの天ぷら』。その他、チャンプルーなどの炒め物に使われることもある

語り あじと 上原正義の「島らっきょう(塩漬け)」

上原正義(うえはらまさよし)さん

「提供しているお料理は沖縄料理が半分、創作和食が半分という感じでしょうか」と、店長・上原正義さん。沖縄料理の定番はもちろん、沖縄ではまるごと唐揚げにすることが多いグルクン(沖縄でよく食べられる魚・和名タカサゴ )を『グルクンの山芋梅しそ揚げ』にしたり、『どぅる天(沖縄でよく食べられる田芋を使ったコロッケのような料理)』にスーチカー(豚肉の塩漬け)を加えたりと、新しいスタイルの沖縄の味を楽しめる。「ゆったりとくつろいで会食を楽しんでいただける“大人のためのお店作り”、“大人の隠れ家”を目指しています。お客様は30歳以上の方がほとんどですね」とのことで、店内は落ち着いた雰囲気だ。

さて、こちらの人気メニューは? 「1番は『島らっきょう』やゴーヤーなど島野菜を使った料理ですね。次に続くのはあぐーを使った料理です。『島らっきょう(塩漬け)』を初めて食べるという方には、『カレーに添えられている甘酸っぱいものではなくて、ニンニクと玉ねぎが合体したようなもの。独特の香りとシャキシャキした食感。お酒のつまみに最高です!』とお伝えしていますよ。私の父も晩酌の時によく『島らっきょう(塩漬け)』を食べていましたね」。
沖縄のつまみに欠かせない『島らっきょう(塩漬け)』の作り方を見せていただいた。「公設市場で伊江島産のものを買ってきました。新聞紙にくるんで売っていますね。少し水につけた後、薄皮をむいていきます。公設市場では、おばぁが親指にガムテープを巻いて薄皮をむいている姿をよく目にしますよ」。

『島らっきょう』を水につけておく
薄皮をむく

「薄皮をむいたら軽く洗って水を切り、沖縄産の塩をまぶして軽くもみ、塩漬けします」。

緑の茎を切り長さをそろえた後、軽く水洗いし水を切る
沖縄産の塩をまぶして軽くもむ

「これをタッパーに入れてほどよくねかせるとできあがりです。少ししんなりしますね」。

ほどよくねかせた後、器に盛り付け削り節をちらす

注文すると、仕込んでおいたタッパーのふたが開けられるが、まわりに独特の香りが漂う。「この香りも『島らっきょう(塩漬け)』の特徴ですね。薄皮をむく時も指に香りがうつり、そのままだと他の料理ができないので一生懸命洗います(笑)。レモンの端っこなどを使うと効果がありますね」。器に盛り付け、削りたてのかつお節がふりかけられた『島らっきょう(塩漬け)』。独特の食感と香りは“THE つまみ”だ。「身の少し丸い部分がよりしっかりした味わいをもっていますね。『島らっきょう(塩漬け)』は味も香りも強くて辛みもあるので芋焼酎にとても合うつまみです。私もその組合せが大好きですよ!」。
メニューには塩漬けする前の『島らっきょう』を天ぷらにした『島らっきょうの天ぷら』もあり、塩をつけて食べると美味。また、3月と4月には『島らっきょう』を使った限定メニューが提供される。「『島らっきょう』とホタルイカを辛子酢味噌で和えた期間限定メニューがあります。これを作ると“春が来た!”という気持ちになりますね」。

国道58号線から1本入った路地にある『あじと』。一人客の姿も多い。「ハーフサイズにするなど、メニューの量は増減できますので、お一人でもぜひ!」。そして、お酒好きなら上原さんにおまかせするのもいい。「お酒メインという方には、懐石風にお料理をおすすめすることもあります。私もお酒が好きなのでおまかせください(笑)。初めは『島らっきょう(塩漬け)』、お刺身、漬物ですね!」。やはり『島らっきょう(塩漬け)』はつまみに欠かせない一品なのだ。

この料理人こだわりの「味のキーワード」

下ごしらえ

伊江島産の『島らっきょう』を少し水につけたあと根元を切り落とし、薄皮をむく。緑の茎を切り長さをそろえる。軽く水で洗う

塩漬けの作り方

水を切った『島らっきょう』に沖縄産の塩をかるくまぶす。ほどよくねかせた後、器に盛り付け削り節をちらす

自慢の『島らっきょう』料理

『島らっきょうの天ぷら』や、3月と4月には『島らっきょう』とホタルイカを辛子酢味噌で和えた期間限定メニューもある

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あじと 落ち着いた雰囲気で沖縄の味を楽しむ

国道58号線から1本入った路地にある“大人の隠れ家”を目指す居酒屋。30歳以上の方が多く訪れ、落ち着いた雰囲気だ。『島らっきょう(塩漬け)』など定番の沖縄料理、スーチカー(豚肉の塩漬け)入りの『どぅる天』など一工夫加えた新しいスタイルの沖縄の味、創作和食を味わえる。ハーフサイズなどメニューの量の増減に応えてくれるので一人でも気軽に利用可能。

『島らっきょう(塩漬け)』432円
『島らっきょうの天ぷら』518円
ポン酢で食べる『グルクンの山芋梅しそ揚げ』518円
自家製のタレに漬け込みやわらかく仕上げた『アグーのロースの生姜焼き』100g 1296円
黒を基調とした落ち着いた店内。黒板に書かれたおすすめメニューもチェックしよう

あじと

住所 那覇市松山1-8-16
電話 098-861-0721
営業 17:00~OS23:30
休み 日祝日
40席
カード
駐車場 なし
※記載した内容は2019年3月25日現在のものです。
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