九州の味とともに 春

この料理の"味のキーワード"

酢飯

ややかために炊いたごはんを砂糖、酢などで味付けする。一般的な巻き寿司に使う酢飯と同じだ

具材

中に巻く具材はレタス、下茹でしたエビのみ。レタスの食感が重要なので、洗い方やちぎり方を各店が工夫している

巻き方

海苔の上に酢飯を広げ、レタス、エビ、マヨネーズをのせて巻く。レタスのシャキシャキ感を残すため、ほどよい力で巻く

語り 宮崎風土 あっぱれ食堂 馬込一則の「レタス巻き」

料理長・馬込一則さん

宮崎市の中心にあり、多くの人でにぎわうアーケード『一番街商店街』。2009年、『あっぱれ食堂』はその一角にオープンした。グループ店が宮崎市内に4店舗、日南市に1店舗、台湾に1店舗あり、店舗独自のメニューとともに宮崎の郷土料理を提供。そこには、“野菜、果物、魚介、肉など宮崎の食材の素晴らしさを地元の方々をはじめ多くの方に伝えたい”という熱い想いがある。『あっぱれ食堂』は“食堂”ということで、「宮崎の食と風土を気軽な感じで楽しんでほしい。食材に妥協することなく食べやすい価格で提供したい」とのこと。例えば地鶏炭火焼がランチでも食べられるなど利用しやすいお店だ。7〜8割は地元のお客さんだが、GW、8月、プロ野球のキャンプシーズンは他県からのお客さんでもにぎわう。

メニューや壁に貼られた短冊には、宮崎牛、かつおめし、冷や汁、チキン南蛮といった宮崎ならではの料理の文字が並ぶ。その中には『レタス巻き』の文字もある。料理長・馬込一則(まごめかずのり)さんにお話をうかがった。
「私は『レタス巻き』を中学校の運動会の時に初めて食べました。美味しかったです。今では全国的によく知られていますが北海道に行って『レタス巻き』といっても通じなかったことがありました。今では手巻き寿司にレタスを使ったりもしますし、知名度があがりましたね」。

『レタス巻き』の作り方を教えていただいた。まず、具材であるレタスとエビの準備だ。
「レタスはサニーレタスとグリーンリーフを使っています。主に宮崎産ですが、時期的に宮崎産がない時は九州産です。仕入れたら、パリッとなるように根元のほうを水につけておきます。そしてばらして洗い直します。ぬるま湯につけてもパリッとなりますね。『レタス巻き』はレタスの食感がとても大事ですから、いつも気をつけています。エビは茹でて開いて背わたを取り除いておきます」。

注文が入ると海苔の上に酢飯が広げられ、マヨネーズと具材がのせられ、『レタス巻き』が巻かれていく。

海苔の上に酢飯を広げる

「宮崎県産米を一升単位でやわらかすぎずかたすぎずという感じで炊いています。酢飯の味付けは酢や砂糖を独自の配合でやっていますね。レタス、マヨネーズ、エビ、レタスとのせていきますが、レタスはちぎりながら、やわらかい部分と歯応えのある部分をバランスよくのせていきます」。

レタス、マヨネーズ、エビをのせ、さらにレタスをのせる

「レタスはちぎったところから色が変わってしまいますから、前もってちぎっておくのではなく、巻く時にちぎらないとだめなんですよ。そして、巻く時はあまりきつく巻くとだめですね」。

力を入れすぎないように巻く

「レタスのフワフワ感とシャキシャキ感を残すような絶妙な力加減です(笑)」。

切って盛りつければできあがり。

1本を8等分してできあがり

美味しい食べ方についてもうかがった。
「マヨネーズが入っているのでそのままでも美味しいですが、卓上においている醤油を少しつけても美味しいですよ。醤油は日南産のあまみととろみがある醤油。マヨネーズと醤油は合いますからね。うちの『レタス巻き』は一口でも食べられる大きさですから、一口でどうぞ」。

甘味、酸味、ほのかな塩味、レタスや海苔の食感がバランスよく口の中に広がる。
「『レタス巻き』は寿司ではあるのですがつまみ感覚で食べることもできますね。県外の方は〆に食べる人が多いですが、地元の方は最初に頼んで、焼酎を飲みながらつまみにしている人もいますよ。ランチというイメージもありますし、宮崎ではうどん屋さんでうどんと『レタス巻き』を一緒に食べる人も多いです。みんな好きなんですね(笑)。野菜がたっぷり入っているので女性にも人気です」。

『あっぱれ食堂』では、宮崎特産のキュウリを使った『キュウリ尽くしのパーティー』、『(宮崎県産)肉づくしの会』といったイベントを開催したこともあるとのこと。宮崎県の食材の豊かさを常に発信しているお店だ。

この料理人こだわりの「味のキーワード」

酢飯

宮崎県産米を一升単位でほどよいかたさに炊く。酢や砂糖を独自の配合で味付けし、甘味と酸味のバランスがいい酢飯だ

具材

サニーレタスとグリーンリーフを使い、シャキシャキ感が残るような下ごしらえをする。
エビは茹でて開いて背わたを取り除く

巻き方

海苔に酢飯を広げ、レタス、マヨネーズ、エビ、レタスの順にのせて巻く。レタスのフワフワ感とシャキシャキ感を残すように巻く

このページを共有・ブックマークする

宮崎風土 あっぱれ食堂宮崎の郷土料理を味わえる“食堂”

宮崎市の中心地『一番街商店街』内にある食堂&居酒屋。宮崎牛を使った料理、地鶏炭火焼、冷汁など宮崎ならではの味をランチタイムでも楽しめる。レタスのシャキシャキ感を大切にする『レタス巻き』(夜限定メニュー)は日南産の甘めの醤油を少しつけて食べると美味。「宮崎の食材の素晴らしさを多くの方に伝えたい」という想いから値段もお手頃だ。

『レタス巻き』8貫950円(税込)、4貫594円(税込)、※夜のみのメニュー。昼間に食べたい時は事前に要相談
岩塩か醤油をつけて食べる『宮崎牛炙り握り寿司』734円(税込)。時期限定だが、甘味が際立つ『日南レモン』が添えられる
『豚巻ぎょうざ』680円(税込)。『県産豚肉を使ったアルコールにあうオリジナルレシピ』というテーマで行なわれた『みやざきの美味しい食づくりプロジェクト』でグランプリ受賞
古民家風の落ち着いた店内
一番街商店街のど真ん中に位置する

宮崎風土 あっぱれ食堂

住所 宮崎県宮崎市橘通西3-8-12 吉田ビル1階
電話 0985-64-9995
営業 11:30〜15:00/17:00~翌0:30
休み なし
38席
カード
駐車場 なし
※記載した内容は2016年5月23日現在のものです。
お店情報をプリントする