ベースは小麦粉、出汁、卵、塩。そこにネギ・ニラなどを加えるが特にきまりはなく、ツナ・コンビーフなど様々な具材が使われる
小麦粉、出汁、卵、塩を混ぜ合わせ、そこに具材を入れる。熱したフライパンに流し入れ、何度か裏返して焼き上げる
そのまま食べたり、お好み焼きソースをかけたりすることもあるが、ウスターソースをつけて食べるのが沖縄の定番だ
店長・山城大吾さんが「“わが家”にいるようにくつろいで楽しんでほしい!」と2004年にオープン。飾らない空間の中で食べられるメニューは、沖縄ならではの料理をはじめどれも500円前後と庶民的だ。
「すべて消費税込みですよ!(笑)」。
お店を始めるにあたり「こてこての沖縄料理をやろう」と思ったという山城さん。『ヒラヤーチー』も人気メニューの一つだ。
「いろんな『ヒラヤーチー』を食べて研究したのですが、最終的にシンプルなものを作ることにしました。材料は小麦粉、島マース、出汁、卵、ニラ、ツナですね」。
注文が入ると手際よく『ヒラヤーチー』が作られる。
「小麦粉に島マースを加え、出汁で溶いて、小麦粉のダマができないように混ぜて卵を加えます」。
「出汁は沖縄そばにも使うカツオと豚の出汁をベースにした秘伝の出汁、味付けは塩だけですが、島マースを使っていますね。うちの『ヒラヤーチー』は出汁と卵の分量が多めだと思います。そこにニラとツナを入れて混ぜ、油をひいたフライパンに流します」。
「コツは強火にして短い時間で焼くこと。何度か裏返して両面がこんがりきつね色になったら焼き上がりです。このフライパンは『ヒラヤーチー』専用なんですよ(笑)」。
同じ手順でもう1枚焼き、2枚重ねにして食べやすいように放射状にカット。中央に紅しょうがをのせてできあがり。
ウスターソースが添えられる。表面は香ばしく、卵の分量が多いということで中はふっくら。出汁の風味も広がる。
「重ねて2枚にしているのは、何人かで食べるなら1枚じゃ物足りないと思うのと、1枚めくってもう1枚下にあったら喜んでいただけるかなと思いまして(笑)。味を濃いめにしているのでそのまま食べていただいてもいいのですが、ウスターソースをつけても美味しいですよ。沖縄ではウスターソースをかけて食べる方が多いですね。チヂミに似ているし、“沖縄風お好み焼き”という方も多いです。お好み焼きみたいにソースをかけて、カツオ節をかける『ヒラヤーチー』もありますし、いろんなアレンジができます。桜エビや、イカスミや、アーサ(アオサ)やモズクを入れても美味しいですよ。お願いしていただければ作りますし、本日のおすすめメニューに書いていることもあります」。
素朴でやさしい味に焼酎もすすむ。
「『ヒラヤーチー』は昼はおやつ、夜はつまみ、ごはんがあればおかずにもなりますね。うちの『ヒラヤーチー』はシンプルですが、小さい頃に食べていたものはもっとシンプルでした。小麦粉と卵とネギだけみたいな感じでしたね(笑)。昔はみんな家で作っていたんですよ。大きさも味も違うし、厚さも違う。特に台風の時とかにはよく作っていましたね。買物に行けない時の非常食だったんですよ。あと、みんなで集まる時とかですかね。決してごちそうではないんです。家庭料理ですね!」。
『ヒラヤーチー』は沖縄の多くの方々が幼い頃から食べていた大切な料理なのだ。
小麦粉、出汁、卵、島マース、ニラ、ツナ。出汁はカツオ出汁と豚の出汁をベースにした特製だ
小麦粉、島マース、出汁を混ぜ合わせ、卵、ニラ、ツナを合わせる。熱したフライパンに流し入れ、強火で焼き、何度か裏返す
濃いめの味付けなのでそのまま食べてもよいが、添えられるウスターソースにつけて食べるのが沖縄流だ
飾らない空間の中でいただける料理はどれも500円前後と庶民的。『ヒラヤーチー』も、「1枚めくってもう1枚下にあったら喜んでいただけるかなと思いまして(笑)、2枚重ねています!!」と店長・山城大吾さん。秘伝の出汁と卵の分量が多めとのことでふんわりもっちり。ニラとツナが入り、ほどよい塩気でつまみにぴったり。ウスターソースが添えられる。