「いらっしゃいませ！」と明るいピンク色のユニフォームを着たスタッフに歓迎された取材陣。「私たちのイメージカラーはピンクなんです！」という代表・岩満多津子(いわみつたづこ)さんも元気いっぱいだ。岩満さんは日南市南郷町を元気にしたいという想いから結成された『夢見会』の会長でもある。『笑顔と元気の南郷情報誌《話ん種》』の発行、観光イラストマップの制作、イベントの企画・運営など、南郷町を盛り上げている。
「目井津港（めいつこう）が見渡せる場所に空き家があったので、みんなが集える憩いの場所にしたいと食事処を作ることにしたのです。『ごんぐり』はマグロの胃袋のことで、唐揚げにしたり煮付けにしたりこの地域では昔からよく食べられ親しまれています。それを店名にしました！ 2012年にオープンしたのですが、GW前にオープンしてしまったもので、いきなり大忙しで大変なことになりましたね（笑）」。

港が目の前だけに、刺身や海鮮丼など新鮮な魚介を使った料理が人気のお店だが、『魚うどん』も自慢の一品だ。
「普通のうどんとは違いますよね。麺はカンパチ・タイ・ハモ・カワハギ・クエ・卵・片栗粉・天然塩などを材料にしたものを使っています。魚は宮崎の近海でとれた天然で新鮮なものですから、臭みはまったくありません。無添加ですから安心して食べることもできますね」。

作り方はとてもシンプルだ。
「熱湯に麺とカマボコを入れ、出汁醤油を少し加えます。煮込んで麺が少し太くなりふわっとしてきたら丼に移し、ワカメとネギをのせたらできあがりです。
ツユはお湯と出汁醤油しか使っていませんが、麺に5種類の魚を使っていますから、麺からいい出汁が出ているんです。普通のうどんのように別に出汁をとって作ったツユを注ぐ必要がないですね」。

ふわりとした麺にからむツユは、魚の風味を感じる深い味わい。また、麺から出汁が出ているとはいえ、麺そのものにもしっかりとした旨味が残っている。
「麺はのびませんし、水炊きにいれても美味しいですよ」。
『ごんぐりの唐揚げ』も作っていただいた。何も言われなければ肉と思ってしまうようなやわらかくてプリプリの食感だ。
「焼酎がめちゃくちゃ合います（笑）」。

南郷の魅力を伝えようと、お店では観光案内も行なっているとのこと。
「南郷はとてもステキな場所なので、たくさんの方に来ていただきたいと思っています。こんないい所はありませんから（笑）。お店としては、『ごんぐり亭』でしか味わえない、また行きたくなるような料理づくりを目指しています。『魚うどん』もこの街を代表する郷土料理なので、たくさんの方に知っていただきたいし、食べていただきたいですね」。
いつでも岩満さんたちの元気な笑顔が迎えてくれる。