山芋、納豆、ネギを
高菜漬けで巻いた巻き寿司
江戸時代、幕府の天領として栄えた日田市。九州の小京都とも呼ばれ、2月中旬〜3月末には『天領日田おひなまつり』でにぎわう。この地で昭和40年頃から親しまれてきた巻き寿司が海苔の代わりに高菜漬けを使う『たか菜巻』だ。日田市にある『
巻きすの上に高菜漬けを広げ、すし飯をのせる。切った山芋、納豆、ネギをのせて巻けばできあがりだが、巻き方にコツがあるとのこと。高菜漬けは海苔とは違い水分を持つので、しっかりと巻いておかないと、時間が経つにつれて形が崩れてしまうのだ。切ったものを口に運ぶと、山芋のシャキシャキ感、納豆やネギの風味に、高菜漬けの食感とほどよい塩味が交わり、広がる。巻いている高菜漬けの葉の部分と茎の部分で食感が異なるのもおもしろい。そのまま食べても、甘めの醤油を少しつけて食べても美味しい。また、具材に梅肉を加えたものや、納豆が苦手な人には、納豆を入れないものなどアレンジした『たか菜巻』もある。
日田市では平成22年から地元で穫れた野菜や果実を使った日田ならではの寿司を楽しめる『ひたん寿し』(日田の寿司という意味)を売り出し中。その中心に置かれているのは、日田発祥の『たか菜巻』だ。
高菜は西日本で広く栽培されているが、九州では、三池高菜(福岡県筑後地方)、阿蘇高菜(熊本県阿蘇市)、雲仙こぶ高菜(長崎県雲仙市)がよく知られている。塩漬けして発酵させ高菜漬けとして食べられることが多く、高菜漬けを油炒めにする食べ方も一般的だ。
阿蘇地方では阿蘇高菜を使った『高菜めし』が知られている。
また、熊野地方(和歌山県と三重県にまたがるエリア)、吉野地方(奈良県)には高菜漬けを使った郷土料理『めはりずし』がある。高菜の浅漬けの葉でごはんをくるんだもので、すしというよりはおにぎりに近い料理だ。
海苔の代わりにするため、葉の大きなものを使う。使う前に水洗いするなどして塩抜きをする。海苔の大きさカットすることが多い
基本的な具材は山芋、納豆、ネギ。納豆が苦手な人向けに納豆を抜いたものや、梅肉を使うものなどアレンジ『たか菜巻』もある
巻きすの上に広げた高菜漬けの上にすし飯と具材をのせて巻く。海苔を使う巻き寿司よりも力を込めてしっかり巻くことが必要だ
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