おやつにもつまみにもなる
薄くてまるい沖縄風お好み焼き
『ヒラヤーチー』は、沖縄の言葉で “平たく焼く”という意味。“沖縄風お好み焼き”と言われることもある、チヂミに似た沖縄の家庭料理だ。
小麦粉を水や出汁で溶き、卵を加え、ニラ・ネギなどの具材を加えて混ぜたものをフライパンに薄くのばし、両面をほどよく焼きあげればできあがり。ツナ、コンビーフ、モズク、ゴーヤーなど、沖縄でよく使われる素材が加わることもあるが、中に入れる具材に特に決まりはなく、味わいは家庭や店ごとに様々。家庭ではニラやネギだけといったとてもシンプルな『ヒラヤーチー』も作られているようだ。表面はカリッと香ばしく、中はもっちりとした食感で、沖縄ではウスターソースをつけて食べるのが定番。フライパン一つで簡単に作られることもあり、台風の時など外に出られない際に、台所にある有り合わせの材料で作って食されることも多いのだという。
派手ではなく飾らない味わいに“家庭の味”“母の味”を感じる沖縄の方も多い『ヒラヤーチー』。つまみとして食べられることもあるし、おやつとして、またごはんのおかずとしても食べられているほど、幅広い世代に親しまれている。
琉球王朝時代(1429〜1879年)の宮廷料理に『ポーポー』と『チンビン』という料理があった。『ポーポー』は水で溶いた小麦粉をクレープのように薄く焼き、油味噌などをのせてくるくると巻いた料理。『チンビン』は小麦粉・黒糖・水を合わせたものをやはり薄く焼いてくるくると巻いた料理。当時、小麦粉は貴重な品だったので庶民が口にすることはほとんどなかった。
『ヒラヤーチー』の起源はさだかではないが、小麦粉を使った料理が沖縄に昔から存在していたこと、戦後に米国から配給される小麦粉があったことから、『ヒラヤーチー』が広まったとも考えられている。
現在では、『ポーポー』と『チンビン』も広まり、沖縄の『子どもの日(旧暦5月4日)』にはよく作られている。
ベースは小麦粉、出汁、卵、塩。そこにネギ・ニラなどを加えるが特にきまりはなく、ツナ・コンビーフなど様々な具材が使われる
小麦粉、出汁、卵、塩を混ぜ合わせ、そこに具材を入れる。熱したフライパンに流し入れ、何度か裏返して焼き上げる
そのまま食べたり、お好み焼きソースをかけたりすることもあるが、ウスターソースをつけて食べるのが沖縄の定番だ
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