殻から伸びだしている水管の部分を一夜干しにする。生に近いもの、しっかりと干したものなど、干し加減で味わいも異なる
筒状の水管を開いたものを炙るので、反ってしまわないように内側から炙ったり、網ではさんで炙ったりする
タテに裂いたり、ヨコに切ったものを食べる。そのまま食べても旨いが、一味唐辛子やマヨネーズが添えられることが多い
JR佐賀駅前にある『恵水産』は、“佐賀で本当に美味しい魚を食べてもらいたい”という想いから生まれたお店とのこと。毎朝市場で買付けされた新鮮な魚介を食べられる。各テーブルにもメニューは置かれているのだが、店内の壁には勢いのある文字で、料理名と値段が書かれた紙が貼られている。文字を書いていらっしゃるのは、総料理長・吉岡和之さんだ。
「筆で書くと、どの料理もより美味しそうに見えますね(笑)。2008年のオープン当初は玄界灘の魚介が多かったのですが、お客様のご要望で、佐賀らしい味わいのメニューも徐々に増えました」。
もちろん、『うみたけの一夜干し』と書かれた紙も貼られている。
「『うみたけ』は一夜干ししたものを仕入れているます。生のものが手に入る頃はこんなふうに干していたんですよ」。
吉岡さんが網に入れた『うみたけ』を見せてくださった。干されているのは『うみたけ』からのびる水管を縦に開いたものだ。
水管の外側だった部分は黒く、内側だった部分は白い。近くに寄ると独特の香りが漂ってくる。
「この香りは言葉では言えないですね(笑)。このまま炙るのですが、炙るとまたいい香りがしますよ」。
こちらでは、お願いすればテーブルに焼き台が運ばれ、自分で炙ることができる。炙り方を教えていただいた。
「まず内側からじっくり炙った後、外側を軽く炙る程度が食べ頃ですが、炙り方はお好みですね。
ちょっと熱いですが、手で裂きながら食べると美味しいですよ。そのままでもしっかり味がしますが、マヨネーズと一味唐辛子もお付けしています」。
炙っている時の香りだけでも焼酎が飲めそうだ。そして、かめばかむほど味がする『うみたけの一夜干し』。焼酎好きには、たまらない。
「隣のテーブルで炙っている香りにつられて、注文されるお客様もいらっしゃいますね(笑)。『うみたけの一夜干し』は、干すことで味も香りも凝縮されていると思います。焼酎が好きな方は、これをかじりながらだと、止まらないみたいです。一度食べると、リピートされる方も多いです。クセになる味ですからね」。
お客さんが自分で炙らない場合は、『うみたけの一夜干し』は厨房で炙られるのだが、その際のエピソードも教えていただいた。
「『うみたけの一夜干し』をさわると、手に匂いが付いて取れにくいので、刺身を作る料理人には、さわらせないようにしています。それから、他の食材に匂いが移らないようにタッパーにしっかり入れています。少し面倒なこともありますが、この匂いがあってこその、『うみたけの一夜干し』ですからね」。
毎夜、料理作りに忙しい吉岡さんだが、お客さんとの会話も大切にされている。
「お客様の半分は県外の方ですし、佐賀の魚介料理は、名前だけ見ても何かわからないものが多いですからね。『うみたけの一夜干し』は『貝だけどスルメみたいなものです』とご説明しています」。
一夜干しされたものを仕入れ、そのまま炙る。一夜干しすることで、香りも味も凝縮されたものになっている
内側をじっくりと炙った後、外側(色が黒い面)を炙る。内側から先に炙るのは反らないようにとのこと
熱いうちに裂いたものを食べる。そのまま食べても味わい深いが、マヨネーズと一味唐辛子も添えられる
“佐賀で本当に美味しい魚を食べてもらいたい”という想いから生まれたお店。漁港や魚河岸をイメージした、にぎやかな居酒屋だ。玄界灘産や有明海の魚介など、毎朝市場で買付けされた新鮮な魚介を、リーズナブルに食べられる。テーブルに運ばれてくる焼き台に素材をのせて自分で焼く“浜焼”も人気。『うみたけの一夜干し』も自分で炙って食べられる。
住所 | 佐賀市駅前中央1-3-8 |
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電話 | 0952-27-6030 |
営業 | 17:00〜23:30(OS 23:00) |
休み | 年末年始 |
席 | 40席(カウンター席あり) |
カード | 可 |
駐車場 | なし(近隣に有料駐車場あり) |
URL | http://foodini.jp/megumisuisan |