九州の味とともに 夏

大分 雉子(キジ)めし

雉子の肉とガラ出汁の旨味が染み込んだ
濃厚な味わいの炊き込みごはん

雉子はクジャクに似た美しい鳥で、玖珠(くす)エリアや国東(くにさき)エリアなど、大分の山間に生息している。各家庭で飼育し祝い事の時等に食べられていた鶏とは違い、野生の雉子は捕獲することも飼育することも難しいため、雉子はとても貴重な食材として食べられていたとのこと(一羽あたりから取れる肉の量も鶏に比べて少ない)。雉子の代表的な食べ方が『雉子めし』だ。

まず、雉子のガラをアクをとりながら時間をかけて炊き、出汁をとる。出汁は鶏ガラよりも濃厚だ。その濃厚な出汁を甘辛く味付けした煮汁で雉子肉、ニンジン、タケノコ、しいたけ、ゴボウなどの具材を煮込む。味の染み込んだ具材を米と一緒に炊くという作り方と、具材と炊きあがった白ごはんを最後に混ぜ合わせるという作り方がある。また、水の代わりに雉子出汁を使ってごはんを炊くという方法もある。いずれの作り方でも雉子独特の旨味がごはんに染み込み、鶏めしとは違うコクと味わいを持つ。

野生の雉子の肉はかたいが、現在、料理に使われている雉子は養殖されたもので、やわらかくて食べやすい。クセがなくさっぱりとしていながら濃厚な旨味を持つ。最近は低カロリー・高タンパクな肉であるという点も注目されている。

■しいたけについて

『雉子めし』の具材としてもよく使われるしいたけは大分県の特産品。大分県宇佐市の『生活工房とうがらし』を基点に地元大分の豊かさを伝えるフードプロデューサー・神谷禎恵さんに、しいたけについてお話をうかがった。

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乾しいたけのお話をしてくださる神谷さん

神谷さんは『大分県乾しいたけ大使』も務められている。

●国東半島としいたけ栽培
国東半島宇佐地域は世界農業遺産に認定され、なかでも国東半島は乾燥しやすい土地で、農作物を育てるために半島から宇佐にかけては、上段、中段、下段と2000ものため池が作られているんです。そのまわりにクヌギを植え、夏は葉が生い茂り水分の蒸発を防ぐ、冬は葉が落ち腐葉土となって最終的には養分の多い水が海へと注がれます。木は15年に1度切り、切ったものを3〜4年ねかせます。それにコマを打って1〜2年してしいたけができるのです。そして、乾燥しやすい気候を生かして作ったのが乾しいたけです。日本の乾しいたけの生産量の約半分は大分で生産されています。世界的に見て、森は狩りに行く場所であって生産する場所であることは珍しいのです。『クヌギ林とため池がつなぐ国東半島・宇佐の農林水産循環』として、世界農業遺産にもなったのはそんな背景があるからです。

●しいたけの名称
「菌によって『ゆう次郎』、『コウタロウ』、『春光』いった品種があります。そして穫れる時期によって、『春子』『藤子』『夏子』『秋子』『寒子(かんこ)』といった呼び名があるんですよ。『小野さんが作ったゆう次郎菌でできた春子が冬菇(どんこ)になった』といった言い方もするんですよ。おもしろいですね(笑)」。

●乾しいたけの戻し方、料理のコツ
「鍋に水を入れて戻すと、乾しいたけが浮いてきてしまうので、私は密閉できるビニール袋に乾しいたけを入れ、水をひたひたに入れてなるべく空気を抜いて戻す方法をおすすめしています。水温は5度で1日以上、時間をかけて育てているのですから、戻す時もじっくりと時間をかけましょう。冷蔵庫の野菜室で戻すといいですね。しいたけの旨煮や甘辛煮を作る時は煮汁がうっすら残っている状態で火をとめ、煮汁をきれいに吸わせるようにします。乾しいたけの旨味の98%は戻し汁に含まれていると言われています。乾しいたけを戻すことで、旨味が凝縮し栄養価も高くなります。それから、しいたけの旨味とは違う、動物性の旨味を加えると美味しくなりますね。煮込む前に油で炒め、オイスターソースとか、魚醤などを入れるといいです。調味料は本醸造醤油と本みりんがいいと思います。それぞれの家庭の作り方や、地域ならではの食べ方などもあると思います。家庭で戻すのが面倒だったり、しいたけが高価だったりで、あまりしいたけを食べていない方も多くなってきたようです。私は食べ方の啓発も行なっています。まず食べてみないとわかりませんから(笑)。どんなところにも、その地域ならではの食材があって、その地域ならではの食べ方があります。しいたけも含め、大分の食について広く伝えていきたいと思っています」。

■生活工房とうがらし
http://www.kanamarusayuko.jp/

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「雉子めし」、三様。

三人の料理人が語る、それぞれのこだわりとは

この料理の"味のキーワード"
出汁

『雉子めし』をつくる時、雉子ガラから出汁をとることが欠かせない。鶏ガラとは異なる雉子ならではの濃厚な旨味を持つ

具材

雉子肉以外の具材としては、しいたけ、ニンジン、タケノコ、ゴボウなどが一般的。コンニャクや油揚げを使うこともあるようだ

作り方

雉子ガラ出汁を甘辛く味付けし、具材を煮込む。その具材を米と一緒に炊く作り方と、炊いた白ごはんと混ぜ合わせる作り方がある

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