九州の味とともに 夏

熊本 たこめし

干すことで凝縮されたタコの旨味を
ごはんと合わせた天草の郷土料理

天草市有明町の夏の風物詩は干しダコ作りの風景。広げられて潮風に揺れるマダコの姿を、国道324号線を車で走っていても見ることができる。有明町では、タコによる街おこしも行なわれており、国道は『ありあけタコ街道』とも呼ばれ、巨大なタコのオブジェも作られている。『たこめし』は、この有明町で古くから食べられているタコ料理だ。

『たこめし』には生のタコを使うこともあるが、現在は干しダコを使うことが多い。干すことで、タコの旨味が凝縮され、より美味しい『たこめし』を作ることができるからだ。まず、干しダコを水や湯で戻して小さく刻む。そして、ここからの作り方は“混ぜごはん”タイプと、“炊き込み”タイプの2通りがある。“混ぜごはん”タイプは、刻んだタコ、ゴボウ、ヒジキなどに、醤油やみりんを合わせ、煮汁で煮て味付けし、それをごはんに混ぜこんでいく。“炊き込み”タイプは、刻んだタコ、ゴボウやヒジキなどの具と米を釜に入れて炊き上げる。こちらは、途中で味見ができないので、水加減と、そこに加える醤油や、みりんなどの調味料の加減が味を左右する。

ごはんにもタコの旨味が染み込んだ『たこめし』。かむほどに、口の中にその旨味が広がっていく。有明町では、祝いの席などに今も欠かせない郷土料理だ。

タコ

■有明町のタコについて
タコ漁にも詳しい『民宿 あさひ荘』のご主人・松本國雄さんにお話をうかがった。

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●タコの種類
「有明町の近海では、マダコ、イイダコ、アシナガダコが獲れますが、料理に使うのはマダコですね。最近では、猛毒を持っているヒョウモンダコの姿も目撃されています。元々は熱帯や亜熱帯に生息しているタコなのに、困ったもんですね」。

●タコの旬
「マダコは一年中獲れますが、梅雨明けから9月が一番のシーズンです。干しダコも、この時期に作られますね。10月は産卵のために深みに行くので獲れる量が少し減ります。そして11月の産卵の時期には、頭の中に詰まった卵を食べることができます。粟のような小さな粒の珍味ですね。産卵後は、たくさんエサを食べるので、12月頃からだんだん大きくなっていきます。冬のタコも美味しいんですよ」。

●タコ漁
「漁師さんたちは、タコつぼで獲っています。タコは穴に隠れる習性があるので、つぼを沈めておくと、そこに入るんです。外敵から身を守るということなのでしょうね。イルカもタコが大好物ですからね(笑)。

昔は素焼きのつぼばかりでしたが、割れやすいため少なくなってしまいました。
漁港に並ぶプラスチック製のタコつぼ

今はプラスチック製のつぼが多いですね。ロープに結んだタコつぼを4メートル間隔で沈めていきます。2日ほど置いて引き上げると、タコが入っているというわけです。

●タコ釣り
「私も船で沖に出かけてタコ釣りに行くんですよ。

松本さんお手製のタコ釣りの仕掛け

竿は使わず、糸の先に仕掛けをしたもので釣る一本釣りです。えさは豚の脂身をよく使っていますが、白いものがいいんです。タコは好奇心旺盛なんで、白いものには何でも飛びつくんですよ。タコが食いついたら、逃がさないように一気に引き上げます。スミを吐くこともありますよ。服についたら取れないので、タコ釣りは黒い服で行かないといけません(笑)。タコのスミは濃くて、どぎつい香りと味なので、イカスミのように料理にはできないですね。獲ってきたタコは生のまま刺身にすると美味しいです。急所は目と目の間なので、そこをせんまい通しなどで刺し、活締めします」。

■民宿 あさひ荘
住所/天草市有明町大浦646
電話/0969-54-0846

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「たこめし」、三様。

三人の料理人が語る、それぞれのこだわりとは

この料理の"味のキーワード"
具材

水や湯で戻した干しダコ(マダコを干したもの)の他、ゴボウ、ヒジキがよく使われる。生のタコが使われることもある

味付け

醤油、みりん、酒、砂糖といった最低限の調味料しか使われていない。干しダコから染みだす旨味を生かしている

作り方

具材を煮込んで味付けしたものをごはんに混ぜ込む作り方と、具材を米と一緒に炊き上げる作り方がある

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