豚モツ、シイタケ、コンニャクが基本的な具材。豚モツはしっかりと洗い、何度も下ゆですることで独特の臭みを取り除く
カツオ出汁が使われることが多い。出汁に加える調味料の基本は塩と醤油で、さっぱりとした味わいだ
下ごしらえしたモツを出汁でやわらかく煮込む。調味料で味付けしてシイタケとコンニャクを加えさらに煮込む
那覇市中心地から車で北へ20分ほど。国道58号線から少し入ると、沖縄ではよく見かける赤瓦の建物が見えてくる。「沖縄の古民家をイメージしているんです」と迎えてくれたのは店主・宮里太さん。外観も店内も昔ながらの沖縄を感じさせてくれる落ち着いた雰囲気。すべて手作りの『ジーマーミ豆腐』、お店のある街でよく栽培されている田芋を使った『ドゥルワカシー』、泊漁港(とまりぎょこう/那覇市)で仕入れる魚介を使った品など、宮里さんが作る料理も昔ながらの琉球の味を大切にしたものだ。「1999年に母が始めたお店なんです。母は主婦だったのですが沖縄料理が得意でした。私が作る料理のベースも母の味にありますね」。
和食の修行を経た宮里さんは、現在、幼い頃から親しんでいた伝統の味をさらに高めて提供。『中身汁』にも宮里さんの工夫が加えられている。「出汁はカツオ出汁に加えて、昆布、アゴ(トビウオ)、キビナゴの出汁も使っています」。『中身汁』には通常はカツオ出汁のみが使われることが多いので、とてもぜいたくな出汁だ。
「豚モツをゆでて下ごしらえした後、塩や醤油で味付けした汁で煮付けてやわらかくしていきます。その後でシイタケ、コンニャクを加えてさらに煮ます。家によってはカマボコを入れたりもするようですね」。コンニャクは細めに切ったもので『中身汁』用のもの。やはり沖縄の郷土料理である『イナムドゥチ(豚肉・シイタケ・コンニャク・カマボコなどを使った白味噌仕立ての汁物)』に使うコンニャクは『中身汁』用のものより幅が広いのだそうだ。
器に盛り付けてネギとショウガを添えればできあがり。やわらかな豚モツをそれぞれの出汁の味が重なった汁とともに食べられ、奥深く滋味深い味わいだ。ショウガを加えればよりさっぱりとした味わいを楽しめる。
「私が作る『中身汁』はやはり母親の味がベースにあります。沖縄ではどこの家でも作っていた家庭料理なんですよ。雑煮のような位置づけなので、正月には欠かせない味です。その他、何かのお祝いごとの時にも食べるごちそうで、とてもめでたい料理ですね」。『中身汁』は単品でも食べられるが、会席料理の一品としても食べることができる。
「締めの一品として、ジューシー(沖縄風の炊き込みごはん)と一緒にお出ししています」。豚モツと野菜に出汁を加えて炒めあげる『中身イリチ』も焼酎がすすむ一品だ。料理に多く使われている器は沖縄を代表する陶器である壺屋焼(つぼややき)。また、店内のあちこちには三線が置かれていて、スタッフによるライブが行なわれお客さんが歌い出すこともあるのだそう。「お客様には、料理も含めて沖縄を感じていただきたいですね。店名の“あしび”とは沖縄の言葉で“遊ぶ”という意味です。ゆっくりと飲んで食べて、楽しい気持ちになっていただけるとうれしいですね!」。
下ゆでするなどして丁寧に下ごしらえした豚モツ(写真)、シイタケ、細く切ったコンニャクが使われる
出汁は『中身汁』の基本であるカツオ出汁に加えて、昆布、アゴ(トビウオ)、キビナゴの出汁も使う。味付けは塩と醤油
出汁に塩、醤油を加えた汁で豚モツを煮込み、さらに、シイタケ、コンニャクを加えて煮込む。ネギとおろしショウガが添えられる
那覇市中心地から車で20分ほどの場所にあり、古民家をイメージした造りの店。店主・宮里太さんが昔ながらの琉球の味を大切にして作る数々の料理を楽しめる。和食の修行をした宮里さんの『中身汁』は、カツオ出汁の他に、昆布・アゴ(トビウオ)・キビナゴの出汁も使われている。やわらかな豚モツを、それぞれの出汁の味が重なった汁とともに食べられるぜいたくな味わいだ。
住所 | 宜野湾市大山2-2-2 |
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電話 | 098-899-2978 |
営業 | 18:00〜OS22:00(ドリンクOS23:00)、平日ランチ11:30〜14:00 |
休み | 水曜 |
席 | 70席 |
カード | 可 |
駐車場 | あり |
URL | http://ashibijima.com |
お取り寄せ情報 | なし |