豚モツ、シイタケ、コンニャクが基本的な具材。豚モツはしっかりと洗い、何度も下ゆですることで独特の臭みを取り除く
カツオ出汁が使われることが多い。出汁に加える調味料の基本は塩と醤油で、さっぱりとした味わいだ
下ごしらえしたモツを出汁でやわらかく煮込む。調味料で味付けしてシイタケとコンニャクを加えさらに煮込む
那覇市金城町(きんじょうまち)にある『金城町石畳道』は、琉球王朝時代の16世紀初めに造られたといわれている。首里城から続く琉球石灰岩が敷き詰められた風情ある石畳は、沖縄県指定文化財にも指定されている。この石畳沿いに建つのが『首里殿内』。“殿内”とは琉球王朝時代に高い格式をもった家柄をさす言葉だ。「お店は位の高い方々が暮らしていた住まいをイメージしています」と店長・比嘉勝己さん。琉球王朝時代の屋敷をイメージした風情ある店内で、伝統的な沖縄料理や和食をベースにした創作沖縄料理を食べられる。自社牧場で育てる琉球在来豚『おもろアグー』を使ったしゃぶしゃぶなどの料理も自慢で、『中身汁』に使われる豚モツもおもろアグーのものだ。
『中身汁』についてお話をうかがった。「アグーの胃と小腸の部分を使っています。洗って、3〜4回ふきこぼして豚モツの臭みを取るのですが、全部取ってしまうと残るのは食感だけになってしまうんです。ですから独特の風味を少し残すようにしていますね。下ゆですると縮んでいきますよ。大鍋でたくさん下ゆでする時の初めは本当にくさいです。調理場がその匂いで充満します(笑)」。
下ゆでした豚モツはカツオ出汁で煮込んでいく。「煮込むほどに豚モツはやわらかくなっていきます。煮過ぎるとやわらかくなりすぎてしまうのです。ほどよく煮て多少の食感を残すようにしていますね」。
シイタケ、コンニャクを加えて煮込んだ後、塩、醤油、すりおろした生姜などを加えた汁を加えてさらに煮込んでできあがりだ。
すっきりとした汁の中にほどよい風味を残した豚モツの存在感がある。添えられるおろしショウガを加えても美味だ。「『中身汁』には豚モツなど具材がたくさん入っていますから、いわゆる吸い物というよりも、“具だくさんの汁”という感じでしょうか。お正月には欠かせない味でお祝いの時にも作る家庭料理ですね。私の母も作っていましたよ! 」
『中身汁』は単品料理としても食べられるし、会席料理の一品としても食べることができる。“中身”は野菜と出汁を加えて炒める『中身イリチー』や、『うちなー風あんかけ焼飯』のあんにも使われている。
しっかりした料理に加えて沖縄ならではの小鉢や珍味類がそろい、酒好きにはたまらない『首里殿内』。「“ザ・沖縄”というメニューでやっていますので、沖縄が初めてという方にも楽しんでいただけると思います」。琉球王朝時代の風情を感じられる空間でいただく沖縄の味は格別だ。
おもろアグーの胃と小腸、シイタケ、コンニャク。豚モツは洗って、大鍋で3〜4回ふきこぼして臭みをほどよく取り除く
カツオ出汁を使う。調味料は塩、醤油、おろしショウガ。シンプルな味付けが豚モツの旨味を引きたてる
カツオ出汁で豚モツをほどよいやわらかさになるまで煮込み、シイタケとコンニャクを加える。調味料を加えて味付けする
首里城から続く『金城町石畳道』沿いに建つ。琉球王朝時代の屋敷をイメージした風情ある店内で食べられるのは、伝統的な沖縄料理や創作沖縄料理。自社牧場で育てる琉球在来豚『おもろアグー』を使った料理も自慢で、『中身汁』にもおもろアグーの胃と小腸が使われている。カツオ出汁がベースのすっきりとした汁の中に豚モツの存在感が感じられる。
住所 | 那覇市首里金城町2-81 |
---|---|
電話 | 098-885-6161 |
営業 | 11:00〜OS16:00、17:00〜OS23:00 |
休み | なし |
席 | 80席 |
カード | 可 |
駐車場 | あり |
URL | https://omorokikaku.com/sui/ |