九州の味とともに 冬

福岡 シロウオ

博多に春を呼ぶ
喉で味わう踊り食い

福岡市西区・室見川(むろみがわ)。川に『梁(やな)』と呼ばれる仕掛けが現れ、シロウオ漁が始まると博多に春が訪れる。シロウオはハゼ科の1年魚、体長5cmほどで透明な美しい姿を持つ。博多湾で成魚となり、鮭と同様、産卵のため室見川へ帰ってくる。満潮で川をのぼってきたシロウオを捕らえるのが『梁漁』で、江戸時代から続く漁法と言われている。現在、福岡県でシロウオ漁が行なわれているのは室見川だけだ。ちなみに、姿や名前が似ていることから『シラウオ(シラウオ科)』と混同されることがあるが、まったく別の魚だ。

シロウオの他にはない変わった食べ方が『踊り食い』。水をはった器の中で泳ぐ生きたままのシロウオを網ですくい、ポン酢、溶いたうずらの卵などと一緒に口の中へ。口の中でピチピチと動きまわる食感がおもしろい。そのまま呑みこめばツルッとした喉越しを楽しむことができるし、噛めばザクッとした食感の後、ほろ苦さとほのかな甘みが広がる。身は淡白な味わいなので、天ぷらや佃煮にしても美味。

漁が行なわれるのは毎年2月から4月中旬までで、シロウオ料理はその間しか食べられない期間限定の味わい。春の訪れを告げるシロウオを毎年心待ちにしている方も多い。

■シロウオ漁について

室見川でシロウオ漁を行なっている『室見川シロウオ組合』組合長・齊藤一男さんにお話をうかがった。

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●漁の時期
「2月1日から4月20日まで漁を行なえるように申請はしとるけど、いつも獲れるわけじゃないね。満ち潮の時、シロウオは自力で泳いでくるというよりも、潮の流れにのるようにして室見川をのぼっていくんよ。河口から1kmほど上流が産卵場所になっとるようやね。昔はね、室見川周辺の農家が組合員で農閑期に漁をしよったとよ。去年たくさん獲れたけん、今年も多いかというとそうじゃないんよね。不思議なことに2年続けてたくさんは獲れんごたあ」。

●漁の方法
「伝統的な仕掛けの『梁(やな)』で漁をするんよ」。
室見川の『梁』
「300年以上前の江戸時代から変わらないやり方やね。2月の大潮の時に『梁』を川の中につくるんよね」。『梁』とは竹をカヤで編んだ柵のようなものをV字型に並べ、角にテボと呼ばれる金網のカゴを設置した仕掛け。川をのぼるシロウオがテボに入るという仕組みだ。
先端の金網でできたカゴにシロウオが入る
●販売
獲ったシロウオは川の中に沈められた『ウケ』と呼ぶれる箱の中に入れておく。このシロウオは一般の方でも購入することができる。
「漁と一緒で売り方も昔から変わらんよ。1合枡を使うんよね」。
シロウオは1合枡を使って量り売りされる
「1合1,800円で450〜500匹くらいはいっとるよ。ない時もあるけん電話してから来てね(笑)。生きたものやけん、早く食べんといかんよ。けど、前ね、食べんかったのを忘れてしまって、バケツにいれたままなんもせんでほっておいたんよ。7月に気がついて、見たらまだ生きとったよ(笑)」。

●食べ方
「踊り食いの味は…タレの味よね。噛まないで飲み込むけんね。噛んだら少し甘味もあるよ。炊き込みごはんにしても美味しいよ。美味しい割合は米3合に対してシロウオ1合くらい。そげん言っても、(安くはないので)みんななかなか使いきらんみたいやけどね。『1年に1回のことやけん、銭ためとって思い切ってやりなさい』と言いよるよ(笑)。私は40年くらい漁をやりよるんやけど、埋め立てやらなんやらで獲れる量が減ってしもうたね。でも、福岡で他に獲れる川はないし、福岡の伝統やし大事にせんといかんね。『春を食べたい』と言って毎年来てく女性もおるしね」。

【データ】
■室見川シロウオ組合
住所/福岡市西区室見川河口(筑肥橋下)
電話/092-881-4011(4月上旬まで)
営業/9:00〜17:00 ※訪れる前に電話で確認を

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「シロウオ」、三様。

三人の料理人が語る、それぞれのこだわりとは

この料理の"味のキーワード"
シロウオ

店舗に生きたまま届くシロウオは、生簀(いけす)の中に入れられる。シロウオは高温になると弱るため、水温調節が重要だ

踊り食いのポン酢

シロウオと一緒に口に入れて飲み込むため、通常のポン酢よりも酸味や塩分を抑えたマイルドな味わいにつくられているようだ

その他のシロウオ料理

踊り食いの他にも、天ぷら(かき揚げ)、佃煮、卵とじなど、淡白な身の味わいを生かした、様々な料理を楽しむことができる

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