豚骨や豚の三枚肉からとった出汁に、昆布やカツオ節からとる出汁、鶏ガラ出汁などが加わる。味付けは塩や少しの醤油のみ
醤油や砂糖などを合わせた煮汁で煮込んだソーキを中心に、昆布、冬瓜、大根、島豆腐、チンゲンサイなどの青菜が入る
あらかじめ作っておいた“汁”に青菜以外の具材を合わせて煮込む。最後に青菜を入れて一煮立ちさせればできあがり
沖縄南インター近くにあるお店は、大きなだるまが描かれた外壁が印象的。ランチタイムや週末ともなれば駐車場は車で満杯となっている。中に入るとテーブル席と小上がり席。テーブル上には沖縄で親しまれている赤色と黄色の2色で彩られた箸も置かれており、店内には昔ながらの沖縄の雰囲気が感じられる。『ソーキそば』など沖縄ならではの料理に加え、しょうが焼き定食やかつ丼などの定食や丼メニューも豊富で、訪れるのはほぼ地元の方というお店だ。
「寸胴鍋に水を入れ、下ごしらえした豚骨を玉ねぎと一緒に丸一日炊きます。最後にカツオ節を入れて、味付けは塩だけです。作った“そば出汁”は1日ねかせてから使っているんですよ」。
『ソーキ汁』にも『ソーキそば』にものせられるソーキはしっかりと味付けされている。「ソーキは下ゆでした後、醤油、ミリン、ショウガなどと一緒にアクをとりながら炊いていきます。『本ソーキ(硬い骨に肉がついた通常のソーキ)』とともに、『軟骨ソーキ』も同じように作っています。ソーキを炊くのも時間がかかりますが、丁寧に作ってやわらかく仕上げていますよ。“そば出汁”もソーキも時間をかけて作らないと美味しくできないですね」。
『ソーキそば』は“そば出汁”の中にゆでた麺を入れ、ソーキをのせるが、『ソーキ汁』は“そば出汁”をそのまま使うわけではない。
「少しお湯を加えた“そば出汁”を鍋に入れ、本ソーキ3つと軟骨ソーキ2つ、島豆腐、大根、昆布を入れて煮込みます。昆布と大根はあらかじめ、ゆでて薄味をつけています。これらの具材のみ丼に移した後、煮汁にレタスを入れて一煮立ちさせて盛り付けます。“そば出汁”に少しお湯を加えるのは、味付けしたソーキから味が染み出してくるからなんです。ソーキから染み出す味で、『ソーキそば』とは違う美味しさになりますね」。
丼に盛り付けられた具材の大きさと量に少し驚いてしまうが、滋味深い“汁”も具材もさっぱりした味わいで、お腹にすっとおさまる。やわらかなソーキにも箸がすすむ。「ソーキは脂っぽくはないんですよ。だから女性のお客さんも多いですね」。
この『ソーキ汁』をはじめ、『だるまそば』のメニューはどれもお手頃価格でボリューム満点。そのこともあってか、休日には多くの家族連れでにぎわう。「『ソーキ汁』はお盆やお正月など家族が集まる時によく食べていましたね。楽しい思い出にもなっています」という我那覇さん。家族が集まるお店のにぎわいを、厨房から温かく見守っている。
下ごしらえした豚骨を玉ねぎと一緒に丸一日炊く。最後にカツオ節を入れて、味付けは塩だけで1日ねかせてから使う。“そば出汁”と呼ぶ
あらかじめ味付けされた本ソーキ3つと軟骨ソーキ2つ、島豆腐、下ゆでして薄味をつけた大根と昆布、レタス
鍋に“そば出汁”と水を少し加え、レタス以外の具材を煮込んで丼に移す。最後にレタスのみを少し煮込み、丼に盛り付ける
大きなだるまが描かれた外壁が目印。ソーキそばや定食類など、どのメニューもボリューム満点で、訪れるのはほぼ地元の方。『ソーキ汁』も、甘辛く炊いた本ソーキ(硬い骨に肉がついた通常のソーキ)1つと軟骨ソーキ2つに、大きく切られた島豆腐・大根・昆布・レタスなどが入り、食べ応え十分。豚骨の出汁とカツオ節をベースに塩だけで味付けした汁も味わい深い。