ごはんの上にタコスの具
ピリリと辛いサルサソースと一緒に
タコス+ライス=『タコライス』はメキシコ料理であるタコスの具材をごはんの上にのせた、沖縄で親しまれている料理だ。1984年に国頭郡金武町(くにがみぐんきんちょう)の『パーラー千里(パーラーせんり/キングタコスの前身)』で初めて『タコライス』として提供された。現在では、沖縄各地の店で食べられる。
牛ミンチや合挽ミンチを塩コショウやスパイスなどで炒めた『タコミート』を皿に盛ったごはんの上にのせ、さらにレタスやトマトなどの生野菜、チーズ(チェダーチーズがよく使われる)をのせる。お好みでケチャップや、トマトベースのピリリと辛いサルサソースをかけてできあがり。全体を混ぜて食べるのもいいが、肉とチーズとごはん、肉と野菜とごはんといったように、様々な組み合わせで味の変化が楽しめる。
沖縄では、日本、中国、東南アジア、アメリカなど様々な国の文化を受け入れながら独自に生み出された沖縄文化のことを『チャンプルー文化』と呼んでいる。『タコライス』も『チャンプルー文化』を代表するものの一つ。アメリカを通して伝わったメキシコのタコスとごはんの融合…食文化の出合いから生まれた料理なのだ。
『タコス』はメキシコを代表する料理のひとつだが、私たちが『タコス』と聞いてすぐにイメージするものは、アメリカナイズされたものであることが多いようだ。
メキシコでは、シェル(皮。トルティーヤとも呼ばれる)はトウモロコシの粉、塩、水を合わせて焼いて作るソフトタイプのタコスが基本。しかし、アメリカでは油でぱりっと揚げたハードタイプのものもあり、ハードタコスとソフトタコスのどちらも食べられている。
また、メキシコとアメリカで大きく異なるのがシェルにはさむ具材。アメリカでは牛肉、豚肉、鶏肉などの肉類とレタスやトマトなどの生野菜が中心だが、メキシコでは具材の種類は無限大。羊肉やヤギ肉、卵、魚、エビなど様々なものが使われている。ピリ辛のサルサソース(メキシコでは『サルサ』としか呼ばない。スペイン語では『サルサ』=ソースを意味する)をかけるのは同じだが、メキシコではアボカドを使ったソースもよく用いられている。
材料は牛挽肉が基本だが、豚挽肉や鷄挽肉が使われることや、タマネギなどが加わることもある。炒めて各店独自の味付けを行なう
タコミート以外でよく使われる具材はレタス、トマト、チェダーチーズ。キャベツを使ったり特製チーズを使う店もある
トマトベースでピリッと辛いサルサソースは各店が工夫を凝らしている。ケチャップが添えられることもある
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