蓮根の穴にからし味噌を詰めて揚げる…
細川忠利公も愛した辛味と歯応え
『からし蓮根』は約400年の歴史を持つ熊本の郷土料理。江戸時代初期、病弱だった細川藩初代藩主・細川忠利公のために作られたのが始まりと言われている。蓮根の栄養価が高いことから、禅僧である玄宅和尚が勧めたのがきっかけのようだ。
熊本城の外堀に非常食として蓮根が栽培されていたことがきっかけの一つだったとも言われている。蓮根を輪切りにした時の穴の配置が、細川家の家紋である九曜紋に似ていることから、明治維新まで門外不出の味だった。その後、西南戦争の後、広く知られるようになった。
泥を落とし、両端を切り落としてゆでた蓮根の穴に、味噌とからしを合わせたからし味噌を詰める。それに小麦粉などで作った衣をつけてなたね油で揚げればできあがり。輪切りにしていただくと、やわらかな甘味の後に続くからし味噌の刺激と蓮根の歯応えに、芋焼酎もすすむ。涙が出るほど辛味があるものや甘味が強めのものなど、からし味噌の味にも作り手の個性と工夫が現れる。また、蓮根の食感はゆで方で決まるため、ゆでる作業には細心の注意が払われている。
『からし蓮根』を食して健康を取り戻したという忠利公。忠利公のおかけで、からし蓮根の味は今に伝わり、熊本で愛され続けているのだ。
蓮根は“地下の茎”。中にある空洞は、空気が通るパイプだ。輪切りにすると穴が多数空いていることから、“先を見通す”ということで縁起がいい食べ物でもあり、おせち料理などにもよく使われる。鉄分、ミネラル、ビタミンが豊富で身体にいい食材でもある。
中央の円の外側を小さな8つの円が囲んだ合計9つの円から成る紋。細川家の家紋だ。元となる思想はインドにあり、9つの星を表している。
加藤清正は、非常食として熊本城の堀に蓮根を栽培していたと言われている。それがからし蓮根誕生のきっかけになったという説もあるのだ。
産地、形などで味わいが異なるので各店とも独自に仕入れる。また、ゆで方によって食感が変わってしまうので、職人の腕の見せ所
味噌とからしを合わせて作られ、蓮根の穴に詰められる。辛めのも、甘めのもの…各店の個性を出すための重要な味となる
小麦粉、クチナシ色素などを水で溶いた衣をつけて揚げる。箸ではない先端がカギ状にまがった“手カギ”を使うのは各店とも同じだ
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