にんじんと卵のみ。にんじんは最低でも黄色とオレンジ色の2種類のにんじんを使う。取材時は4種類のにんじんを使用
昆布カツオ出汁と塩、酒少々を使う。にんじんの甘味を引き立てるために最小限のシンプルな味付けにしている
にんじんを軽く炒め、昆布カツオ出汁を加え、蓋をして蒸し焼きに。酒と塩を加えて味を調整し、溶き卵を加えてゆっくり混ぜる
2016年4月にオープンしたお店の看板メニューは店名の通りしゃぶしゃぶ。しかし、東京出身で沖縄に移り住んだ店主・大西利枝(おおにし りえ)さんが作るしゃぶしゃぶは、一般的なものとは違う。
「沖縄は豚肉が美味しいし、野菜も美味しい。一緒に食べたらもっと美味しいし、両方楽しんでいただきたいと思ったのです。島野菜(沖縄県産の野菜)はすごいと思います。暑さに負けずに育つ野菜は力強いし、島野菜はスーパーフードですね」。そして生まれたのが、新鮮な島野菜をアグー豚で巻いて食べるというスタイルのしゃぶしゃぶだ。特製のポン酢が豚肉の旨味も野菜の旨味も引き立てる。
さらに大西さんは、島野菜の美味しさと個性的な味わいを多くの方に伝えたいと、日々、島野菜を使ったお惣菜を8種ほど作っている。しゃぶしゃぶのコースの前菜は、お惣菜の中から3種を選ぶことができるという仕組みだ。「午前中は野菜の仕入れに行っています。お惣菜は、その時にある野菜で作りますが、定番は『にんじんしりしりー』『パパイヤイリチー』『ゴーヤーチャンプルー』の3つですね。しゃぶしゃぶを食べられるお客様が多いですが、お惣菜とお酒だけという小料理屋風に利用していただいてもOKなんですよ」。
お客さんの人気が高い『にんじんしりしりー』を作っていただいた。
「材料は家によって違いますよね。ツナとか魚肉ソーセージとかコンビーフを入れることもあるみたいですが、私はにんじんと卵だけです。沖縄のにんじんは黒色、黄色、オレンジ色などいろんなものがあります。私は最低でも黄色とオレンジ色の2種類のにんじんを使いますが、今日は4種類のにんじんです。味付けは昆布カツオ出汁、地元産の塩、お酒だけ。野菜をメインに食べていただきたいから薄味ですね」。
大西さんが使うしりしりー器は少し細目のタイプだ。
「作る人によって太さの好みもありますよね。私はパパイヤイリチーのしりしりー器は6mmを使っていますが、『にんじんしりしりー』では少し細目のものを使います。しりしりーすることでにんじんの繊維が残り、食べた時に甘味がより感じられるんですよ」。
フライパンに油をひき、千切りしたにんじんを入れる。
まわりに甘い香りが立ち始めたら、昆布カツオ出汁を入れて蓋をする。
「にんじんはゆっくりと火を入れ、しんなりするとより甘味が強くなります。『にんじんしりしりー』は、炒め料理というよりも蒸し焼き料理ですね」。
酒を加えて混ぜ、にんじんの甘味がさらに引き立つように塩で味を整える。
溶き卵を入れてゆっくりと混ぜあわせればできあがりだ。
4種類のにんじんの色と卵の色がカラフルな『にんじんしりしりー』。薄味なので、にんじんの旨味と甘味がよくわかる。どれだけでも食べられそうだ。
「私も初めて食べた時、『にんじんはこんなに甘いんだ』と感動したことを覚えています。にんじんがしんなりとしているのも美味しいし食べやすいですよね。お子さんから歯が弱いお年寄りでも食べられる料理です。つまみにもいいし、ごはんのおかずにもなるのでお弁当のおかずにぴったり。冷めても美味しいですからね。でも、温かいほうがより美味しいかな(笑)。沖縄の方はみんな好きですね」。
2007年から沖縄で暮らしている大西さん。沖縄の魅力を教えてくれた。「空も海も、見るものすべてがきれいです。野菜も美しいですね(笑)」。美しく力強い野菜を多くの方に食べてほしいと願い、大西さんは仕入れ、料理作りに情熱を注いでいる。
にんじんと卵のみ。にんじんは最低でも黄色とオレンジ色の2種類のにんじんを使う。取材時は4種類のにんじんを使用
昆布カツオ出汁と塩、酒少々を使う。にんじんの甘味を引き立てるために最小限のシンプルな味付けにしている
にんじんを軽く炒め、昆布カツオ出汁を加え、蓋をして蒸し焼きに。酒と塩を加えて味を調整し、溶き卵を加えてゆっくり混ぜる
力強い味わいを持つ旬の島野菜をアグー豚で巻いたしゃぶしゃぶを食べられる。しゃぶしゃぶのコースの前菜は、島野菜を使った8種類ほどのお惣菜料理から3種類をセレクト。また、小料理屋風にお惣菜料理だけの利用も可能だ。最低2種のにんじんと卵だけを使ったからカラフルな『にんじんしりしりー』はお惣菜の定番。