基本的には新鮮な『関あじ』を三枚におろして身を切っていくが、切り身の厚さなど、各店によって特徴がある
大分のやや甘めの醤油をベースに、出汁をブレンドするなどして、『関あじ』の旨味を引き出す特製の刺身醤油が作られている
身の引き締まった『関あじ』。刺身とは違った味わいを感じてもらいたいと、刺身ではないメニューも工夫されている
『関あじ』が揚がる佐賀関。この佐賀関で20年以上に渡り、『関あじ』・『関さば』を中心に提供しているのが『活魚料理処 関の瀬』だ。目の前には青い海が広がる素晴らしいロケーション。窓からは島らしきものも見えるが…。
「窓から見える景色を見て、みなさん『四国が見えた!』と喜んでくださるんですが、残念ながら、あれは国東半島なんです(笑)」。と、2代目女将・野田亜貴子さん。『関あじ』の魅力についても語ってくださった。
「『関あじ』はその日に使う分を仕入れて生簀(いけす)に入れておきます。注文が入ってから、生簀から引き揚げてさばきます。『関あじ』は他のアジと違って、身にすごく光沢があって黄金色に輝いていますよ。お造りにしても、青魚の臭みもないし、身の歯応えがすごいんです。『関あじ』そのものが特別なアジだからという理由もありますが、なによりも新鮮さが大事です。他のアジだと身を厚めに切らないと歯応えがなくなってしまうんですが、『関あじ』の場合は逆です。歯応えが強いので、あまり厚く切ると食べにくくなってしまいます。だから、薄めに切っています。脂ののりも他のアジとは違いますね」。
厨房で、料理長・波多江康二さんに、『関アジの活き造り』を作るところを見せていただいた。
「生簀から揚げた『関あじ』は本当に輝いています。網ですくう時からピチピチはねて、絞めるまでは激しい動きが止まりませんね。絞めた『関あじ』の内臓を取り三枚におろします。それから、皮を剥ぎ、小骨が多い腹の部分の身をとった後、さらに身に残っている小骨をピンセットで取り除きます。
『関あじ』は身がとても引き締まっているので、この骨を抜く作業はとても大変ですね。きれいに抜けたかは、表面を指でさわって確認しますよ。
表面に切れ目を入れて薄めに切り、盛りつけます。今日はレモンを添えていますが、カボスが旬の時期になるとカボスを添えることも多いですね。『関あじ』は夏場から美味しくなります。お腹のあたりの白い部分に特に脂がよくのっていますよ」。
数分前まで泳いでいた『関あじ』の活き造り。特製刺身醤油でいただく。
「地元大分の醤油にみりんなどを加え、カツオと昆布を入れて一週間くらい寝かせたものです。寝かせると味がまろやかになりますね。他の魚の刺身にも使っていますよ。『関あじ』の身には甘味もありますから、好みの問題ではありますが、この醤油をちょっとだけつけて食べるのがいいかもしれません」。
脂ののった『関あじ』の身に少し甘めの特製醤油がよく合う。コリコリとした食感も他にはない味わいだ。野田さんは、こんなことも話してくださった。
「大分の醤油は甘くて濃いので、黒霧島がよく合いますよ(笑)」。
お造りの他に『関あじ』を使った料理として、メニューには『関アジの姿寿司』もある。
「やっぱり、『関あじ』の味が一番分かるのはお造りですが、お造りとは違う、他にはないものをということで、先代が考えたものです。こちらも生簀から揚げた『関あじ』をすぐにお寿司にするんですよ」。
『関あじ』の旨味を引き出しているオリジナルの逸品だ。こちらでは、『関あじ』とともによく知られている『関さば』を使った料理も提供している。活き造りはもちろんだが、オリジナルの『関サバ寿司』も人気メニューだ。
こちらのメニューには、魚介を使った料理が並んでいるが、ほとんどが魚介を生でいただくもの。メニューの下には小さな文字で『※旬の魚を、煮物や焼物でもご提供できます』と書かれていた。
「ご要望があればお作りしますが、新鮮な魚は、生で食べていただくのが一番だと思うんですよ。みなさん、『関あじ』、『関さば』を目指してこちらに来てくださいます。私は獲れたところで食べるのが一番美味しいと思うんですよ。海に面したここのロケーションもありますし、ここでしか食べられない味というのがあるのではないでしょうか?ここまで足を運んでくださるだけの価値はあると思います。私たちスタッフも魚の話や街の見所など、佐賀関のお話もさせていただきますので、ぜひおいでください!」。
注文が入ってから、生簀から引き揚げてさばく。歯応えが強いので食べにくくならないように薄めに切っている
地元大分の醤油にみりんなどを加え、カツオと昆布を入れて一週間くらい寝かせたもの。寝かせることで味がまろやかになる
『関アジの姿寿司』。活き造りと同様、生簀から揚げた『関あじ』をすぐにさばいて作る。身のプリプリ感とシャリの調和も美味
大分市街地から佐賀関の港へと続く国道197号線沿い、海を望む素晴らしいロケーションにある。玄関横の生簀に泳ぐのは、いずれも身の引き締まった“関もの(佐賀関港に揚がる魚介のこと)“。『関あじ』や『関さば』の活き造りをはじめ、新鮮な魚介を定食、海鮮丼などで食べられる。『関アジの姿寿司』、『関サバ寿司』はぜひともいただきたいこちらの名物料理だ。
住所 | 大分県大分市志生木2319-1 |
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電話 | 097-575-4141 |
営業 | 11:00〜15:00/17:00〜21:00 |
休み | 火曜(祝日の場合は営業) |
席 | 90席 |
カード | 可 |
駐車場 | あり |
URL | http://sekinose.junglekouen.com/ |