にんじん、コンビーフハッシュ(コンビーフと細かく刻んだハッシュドポテトを合わせたもの)、卵を使う
コンビーフハッシュに塩味がついているので、調味料は特には加えない。味を整えるために出汁を少し加える
千切りしたにんじんを軽く炒め、蓋をしてしんなりさせた後、コンビーフハッシュと出汁を加える。溶き卵を入れてゆっくり混ぜる
環状2号線から川をはさんで東側の静かな場所にある瓦屋根の『真寿(しんじゅ)』。周辺に店舗がない分、お店の灯かりがよりにぎやかに明るく輝く。2007年にオープンしたお店に集まる方は地元の方や単身赴任の方が中心で、観光客はほとんど来ないという地元密着の居酒屋だ。沖縄料理や海鮮料理、串カツ、炭火焼などを食べることができる。
店内に入るとすぐ左手にはメンテナンス中の大型バイク。「置く場所がないんでここに置いてます(笑)」と言うのは店主・下地寿さん。坊主頭で一見強面だが、笑顔のステキな料理人さんだ。
『にんじんしりしりー』はメニューにはのっていない。「うちは地元のお客さんが多くてみんな家で食べてますからね(笑)。でも、リクエストがあればいつでも作ります。にんじんさえあればできますから。できないのは台風の後でにんじんがない時くらいかな(笑)。単身赴任の方で『食べたい』と言う人はいますし、地元の人もたまに店で食べたくなるみたいですね」。
“リクエスト”に応えていただき『にんじんしりしりー』を作っていただいた。
「一人前でにんじん1本使いますよ。にんじんの大きさによって、値段は時価(笑)。500~600円です。しりしりー器でにんじんをがしがし切るという感じですね。表面の粗さ、ざらざら感で、にんじんの甘味がより出やすくなるようです」。
しりしりー器で千切りにしたにんじんをフライパンに入れて軽く炒め、蓋をして弱火にする。
「これでにんじんがしなっとなり、甘味が出るんですよ。にんじんに火が通ったら、コンビーフハッシュ(コンビーフと細かく刻んだハッシュドポテトを合わせたもの)、出汁を加えて味を調整します。コンビーフハッシュには塩味がついていますから、特に調味料は必要ないんです」。
最後に溶き卵を加えるが混ぜ方がポイントのようだ。
「溶き卵を入れたら、にんじんにからませるようにゆっくりと混ぜます。手早く混ぜるとぼろぼろっとした感じになってしまうんですよ。『にんじんしりしりー』はにんじんの歯応えや、口に入れた時の全体の食感も大事。料理のやり方で変わってしまいますよね」。
皿に盛り付けネギとカツオ節をちらして完成。にんじんの甘味とコンビーフハッシュの味をふわふわの卵が包み込み、焼酎のつまみにもごはんのおかずにも欲しくなる一品だ。
下地さんの作る『にんじんしりしりー』の味わいのベースはどこにあるのだろうか?
「母親の味かもしれないですね。うちの母親が作っていたのは、にんじん、卵、コンビーフを使ったものでした。『にんじんしりしりー』はどの家でも作る家庭料理ですからね」。
『にんじんしりしりー』のように、メニューにはのっていなくても、お願いすれば沖縄の家庭の味を作っていただくこともできる。「時間がかかることもありますが、手が空いていたらなんでも作りますよ(笑)」。
にんじん、コンビーフハッシュ(コンビーフと細かく刻んだハッシュドポテトを合わせたもの)、卵を使う
コンビーフハッシュに塩味がついているので、調味料は特には加えない。味を整えるために出汁を少し加える
千切りしたにんじんを軽く炒め、蓋をしてしんなりさせた後、コンビーフハッシュと出汁を加える。溶き卵を入れてゆっくり混ぜる
訪れる方は、ほとんどが地元の方や単身赴任の方で、観光客はほとんど来ないという地元密着の居酒屋。沖縄料理や海鮮料理、串カツ、炭火焼などの多彩な料理が並ぶ。メニュー以外でも、お願いすれば沖縄料理を作っていただくこともできる。『にんじんしりしりー』もその一つで、にんじん、コンビーフハッシュ、卵を使うシンプルな一品だ。