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「霧島酒造そだつの森」が環境省の「自然共生サイト」認定を取得
2026年11月6日
~カーボンニュートラルと自然環境保全の2軸で「持続可能な循環型社会」の実現に貢献~
霧島酒造株式会社は、宮崎県日南市で管理する自社保有林「霧島酒造そだつの森(Kirishima Shuzo Sodatsu Forest)」が2026年10月30日(金)に、生物多様性の保全が図られている区域として環境省が定める「自然共生サイト」に認定されたことを報告いたします。
「霧島酒造そだつの森」は、東京ドーム約8個分に相当する38.8ヘクタールの人工林です。宮崎県日南市・串間市の森林を管轄する南那珂森林組合と連携し、木材生産と生物多様性保全を両立させる森林経営を目指しています。その取り組みの一環として、スギなどの針葉樹の育成に加え、広葉樹等も部分的に残しながら森林を管理する「保持林業」の手法を取り入れ、森林のもつ多面的機能の維持・向上を図ります。
現在、タイワンツバメシジミやウラナミジャノメといったチョウ類、エビネのようなラン科の植物などの希少種の生息が確認されており、今後、地元の宮崎大学と連携し、木材生産と生物多様性保全が両立する森林経営について、学術的に検証してまいります。九州では初となる保持林業の実証実験となります(2026年10月霧島酒造調べ)。
霧島酒造は、2030年度までに工場・事務所からの二酸化炭素(CO2)排出量を実質ゼロにする「気候変動対策」と、森林保全活動などによる「自然環境保全」を組み合わせた『霧島環境アクション2030』に取り組んでいます。今後も活動を推進し、持続可能な循環型社会の実現に努めてまいります。
■「自然共生サイト」とは
環境省は、民間の取り組みなどによって生物多様性の保全が図られている区域を「自然共生サイト」に認定する制度を2023年度から開始。2026年10月末までに全国で計700か所が認定されました。宮崎県で認定されたのは「霧島酒造そだつの森」で8か所目になります。自然共生サイトには維持・回復・創出の3つの活動類型があり、「霧島酒造そだつの森」は維持タイプとして認定されました。維持タイプとして認定された自然共生サイトのうち、保護地域(国立公園等)と重複しない区域は、順次、国連 環境計画世界自然保護モニタリングセンターが管理している国際データベース「世界OECMデータベース」に登録されます。

生物多様性の保全を巡っては、2022年に生物多様性条約第15回締約国会議(CBD-COP15)で採択された「昆明・モントリオール生物多様性枠組」で、2030年までに、陸と海の30%以上を健全な生態系として効果的に保全しようとする「30by30(サーティ・バイ・サーティ)目標」 が掲げられました。日本では、目標の達成に向けた取り組みの一つとして、自然共生サイトが運営されています。
■「自然共生サイト」認定に至るまでの経緯
霧島酒造は、持続可能な焼酎造りに向けた全体構想『KIRISHIMA SATSUMAIMO CYCLE~さつまいもを、エネルギーに。~』で描くビジョンの実現を目指し、「気候変動対策」と「自然環境保全」の2つの軸で具体施策をまとめたアクションプラン『霧島環境アクション2030』を2023年に策定しました。
その2軸の両方に寄与する活動の一つとして、2023年に霧島酒造の創業家である江夏家が保有していた森林を社有化し、今回の自然共生サイト登録にあたって「霧島酒造そだつの森」と命名しました。森林施業を担う南那珂森林組合や宮崎大学と連携し、木材生産と生物多様性の保全を両立させる持続可能な森林経営を目指しており、こうした森林の適切な管理や生物多様性の維持・保全に向けた取り組みが評価され、自然共生サイトの認定につながりました。今後は、将来的なカーボンオフセットも視野に入れながら、さらなる自然環境の保全に取り組んでまいります。
参考:『KIRISHIMA SATSUMAIMO CYCLE~さつまいもを、エネルギーに。~』の実現に向けて 『霧島環境アクション2030』を策定
■「霧島酒造そだつの森」について
「霧島酒造そだつの森」の概要
| 名称 | 霧島酒造そだつの森 (Kirishima Shuzo Sodatsu Forest) | |
|---|---|---|
| 所在地 | 宮崎県日南市北郷町北河内鎮瀬戸 | |
| 面積 | 38.8ヘクタール | |
| 樹種 | スギ、タブノキ、スダジイ、バリバリノキ、コバンモチ、ヒサカキ、マンリョウ、サツマルリミノキ、ハナイカダ、ヤマハギ、シバハギなど。 | 管理手法 | 針葉樹のスギを主に育てつつ、伐採の際に1ヘクタールあたり10本程度の広葉樹を残す「保持林業」の手法で管理。効果検証しながら管理手法を見直す。 |
「霧島酒造そだつの森」の特長
広葉樹に限らず部分的に樹木を残しながら林業を行う保持林業は、生物多様性の保全に役立つとされ、北欧や米国の一部の州では導入が進んでいます。日本では、スギなどの針葉樹を効率よく育成するため、広葉樹はほとんど伐り払われるのが一般的です。近年、北海道や高知県で実証実験が行われていますが、九州では効果検証まで手がけた事例はありません。「霧島酒造そだつの森」では、タイワンツバメシジミやウラナミジャノメといったチョウ類、キリシマエビネのようなラン科の植物などの希少種を含む多数の植物、昆虫、鳥類の生息が確認されており、それらの保護に対する効果が期待されています。
「霧島酒造そだつの森」の歴史

霧島酒造の創業家である江夏家が1965年頃から保有・管理していた森林で、長らく宮崎県のブランド杉「飫肥杉 おびすぎ」を育成・管理してきました。『霧島環境アクション2030』の策定に伴って、2023年に霧島ホールディングス株式会社が購入し、施業を開始。自然共生サイトの認定にあたって「霧島酒造そだつの森」と名付けています。実際の施業については、地元である日南市・串間市の森林組合である南那珂森林組合に委託しています。
宮崎県は1991年から2025年まで、35年連続でスギ素材生産量が日本一。古くから林業が盛んな地域です。現在「再造林率日本一」を目標に掲げて取り組みを推進しており、霧島酒造も貢献してまいります。
「霧島酒造そだつの森」の名称の由来

森の東側には、神武天皇ゆかりの由緒正しい神社「生達(そだつ)神社」があり、神武天皇が腰かけたと伝わる「腰掛岩(こしかけいわ)」が森の中に存在しています。
「生達=そだつ=育つ」の掛詞を活かし、生き物や植物が豊かに育つことを願いつつ、地域への敬意も込めて「霧島酒造そだつの森」と命名しました。
■「自然共生サイト」認定の関係者のコメント
霧島酒造グリーンエネルギー本部 皆吉 瞳(みなよし ひとみ)

「霧島酒造そだつの森」は一見、宮崎県内ならどこにでもあるようなスギ林ですが、詳しく調査したところ、たくさんの植物や生き物がいることが分かりました。保持林業の実証実験を通して、より生物多様性の豊かな森になり、将来的に地域にも成果を広げていくことができればと考えています。
関係者の皆様にはいつも多大なご協力をいただき感謝しています。引き続き力を合わせて「霧島酒造そだつの森」の活動を私自身も楽しみながら推進していきたいです。
宮崎大学 農学部教授・日本森林学会会長 伊藤 哲(いとう さとし)
「霧島酒造そだつの森」の素晴らしい点は、木材生産に伴う開地環境の形成を通じて里山型の自然を保全するとともに、常緑樹が卓越する暖温帯で初めて保持林業の効果を科学的に評価しようと試みている点です。また、施業計画の段階から森林組合と綿密に意見交換を行い、組合自らが希少植物の分布調査を実施し、計画変更を提案したプロセスも注目されます。
こうした取り組みが、今後のモデルとなることを期待します。
南那珂森林組合 日南事業所 清水 賢次(しみず けんじ)

私たち南那珂森林組合は、これまで木材生産と森林の適切な管理を通じて、地域の森林資源の維持・育成に取り組んできました。今回、霧島酒造と連携し、保持林業という新たな手法に取り組むことは、木材生産と生物多様性の保全を両立させる森林経営の可能性を探るうえで、大変意義のあることだと考えています。
今後も、森林施業の現場を担う立場から、宮崎大学による検証結果なども踏まえながら、持続可能な森林づくりに取り組んでまいります。