焼酎造りは、1日約400トンの九州産さつまいもから
霧島酒造のすべての工場には、毎日合計で約400トンものさつまいもが運ばれてきます。
その後、傷のついた芋を取り除いたり、芋が均一に蒸されるよう大きさを整えたりする過程で、使用できない芋くずが生じます。さらに、製造工程の中の蒸留では、副産物として焼酎粕が生じます。この焼酎粕と芋くずを集め、リサイクルプラントへと運びます。
霧島酒造には、焼酎の副産物である焼酎粕や芋くずをリサイクルする、国内最大級の設備があります。焼酎粕や芋くずからバイオガス(メタンガス)を生み出し、焼酎製造工場の燃料として利用するほか、焼酎粕の一部を堆肥などとして有効利用することで、ゼロエミッション(廃棄物ゼロ)実現を目指しています。このリサイクルシステムは、2008年に第12回新エネ大賞「新エネルギー 財団会長賞」を、2014年には、第23回地球環境大賞「農林水産大臣賞」を受賞しています。
九州産のさつまいもを使い、焼酎を生産。さらに、副産物の焼酎粕は、エネルギー、堆肥を生み出し、豊富な栄養成分(たんぱく質、繊維、有機酸など)もバランスよく含む、いわば「宝」です。
「焼酎の里 霧島ファクトリーガーデン」内の「霧の蔵ベーカリー」では、焼酎粕(焼酎モロミ)を使用したパンやピッツアを製造・販売しています。
回収したバイオガスは、焼酎製造工程で使用するボイラー燃料として利用されます。バイオガスの一部は発電に利用され、電力へと形を変え、各家庭に還元されます。
バイオガスを抽出した後の焼酎粕は、脱水されて堆肥となり地域の畑へ還元されます。芋はかたちを変え、余すことなく大地に還り、南九州の食と文化を豊かにしてくれます。
霧島酒造のすべての工場には、毎日合計で約400トンものさつまいもが運ばれてきます。
その後、傷のついた芋を取り除いたり、芋が均一に蒸されるよう大きさを整えたりする過程で、使用できない芋くずが生じます。さらに、製造工程の中の蒸留では、副産物として焼酎粕が生じます。この焼酎粕と芋くずを集め、リサイクルプラントへと運びます。
黒霧島や白霧島などの焼酎製造時に生じる焼酎粕は、すべての工場の合計で1日あたり約850トン(最大1200トン)。芋の選別時に生じる芋くずは、1日あたり約15トンにも及びます。
焼酎粕と芋くずはリサイクルプラントに運ばれ、細かく破砕されます。それらを微生物によってメタン発酵させることで、バイオガスを生成します。生成されたバイオガスは、焼酎製造工程の燃料として利用するほか、発電にも利用します。
一方、バイオガスを取り出した後に残ったものは固体と液体に分離され、固体は堆肥の原料へ、液体は浄化したのち放流されます。
1日約850トンの焼酎粕から、約34,000立方メートルのバイオガスが生成されます。これらが約22,000世帯分のエネルギー(電力※)に相当します。
本社増設工場と志比田第二増設工場においては、それぞれ、年間に使用する工場総燃料の60%がバイオガスでおぎなわれ、合計約4,500トンのCO2を削減しています。また、堆肥として有効利用することにより廃棄物をなくし、リサイクルによるゼロエミッション実現を目指しています。